新型コロナウイルスと免疫機能

#01「新型コロナウイルスと免疫機能」

 新型コロナウイルスが流行り始めて、1年以上経ちました。

 日本プラズマ療法研究会ではこれまで、月に1度、プラズマ療法の勉強会を行ってきました。しかし、コロナ禍で1箇所に集合することが困難になったため、YouTubeで配信を行うことにしました。随時YouTube動画を更新していく予定にしています。YouTubeチャンネルはこちら

 こちらでも、おさらいの目的も兼ねて、動画の内容を紹介いたします。是非YouTube本編とともに、お役立てください。また、PDFファイルも準備いたしましたので、こちらも同時にご覧ください。http://plasma-salon.net/wp-content/uploads/2021/03/2020_K01.pdf

#01は、「新型コロナウイルスと免疫機能について」です。

動画はこちらからご覧ください。
前半:https://youtu.be/zbg-zZMbCHo
後半:https://youtu.be/Gt4B8MRXU2k

1.そもそもコロナウイルスとは

1-1 新型コロナウイルスの基礎知識

 そもそもコロナウイルス感染症とは、重症化した風邪のことをいいます。近年の例でいうと、2002年にSARSコロナウイルス(SARS-CoV)、2012年にMERSコロナウイルス(MERS-CoV)が流行りました。

 新型コロナウイルスは、CODIV-19やSARS-CoVなどといった別の名前で呼ばれていますが、「これは一体なんだろう?」と思ってらっしゃる方もいるでしょう。

 いまさらですが、いったんここで整理しておきましょう。SARS-CoV-2というウイルスが原因で起きる新型コロナウイルス感染症の正式名称が「COVID-19」で、これは「Corona VIrus Disease-2019」の略で、「2019年に生まれたコロナウイルスの疾患」を意味します。

1-2 新型コロナウイルスの特徴的な症状

 新型コロナウイルスの特徴的な症状として、劇症肺炎や全身の血栓ができることなどがあります。これは、「サイトカイン・ストーム」という免疫の過剰反応によって引き起こされます。

 また、味覚異常や嗅覚異常を発症することがあり、後遺症が残るといった症状を訴える人も出てきています。

 なお、ウイルスが変異しているという情報がありますが、ウイルスは変異するにあたって、一般的にはウイルス活性が弱毒化していく傾向にあるといわれています。

2.4段階の免疫機能

2-1 4段階の免疫機能

ヒトの免疫機能を順番に見ていきましょう。

 私たちの体の免疫系には、主に4段階からなる防御機構が備わっています。この免疫機構により、人体は病源菌やウイルスなどといった外敵から守られています。特に、免疫グロブリン(Immunoglobulin, 略称Ig)は、免疫系において非常に重要な役割を果たしています。

 免疫ブログリンは、抗体の構造と機能を持つたんぱく質で、ウイルスなどの外敵が体内に侵入してきたときに、それらを捉えて弱体化させます。

2-2 各段階の免疫グロブリン

・1段階目……IgA

ちょっと風邪をひいたりすると、鼻水が出たり、のどがチリチリしたりすることがありますが、これは免疫応答の1段階目の反応によるものです。

 この1段階目の免疫反応では、分泌型の免疫グロブリンであるIgAが作用します。IgAは主に気管や腸管などの

粘膜に多く含まれ、ウイルス活性を消失させる役割をしています。IgAは多種の病原体に対抗しています。

この1段階目の免疫機構により、新型コロナウイルスの活性は、ほとんどの場合失活します。

 分泌型であるIgAは、乳児の飲む母乳に多く含まれており、赤ちゃんを病原体から防御しています。そのため、母乳で育った子供たちは、新型コロナウイルスにかかりにくいのです。

・2段階目……好中球

 2段階目は好中球の出番になります。好中球は白血病の一種で、貪食作用をもっています。1段階目の免疫機構を突破したウイルスは、好中球に食べられ駆逐されます。

 病原体がこの2段階目の免疫機構を突破すると、危険信号である「サイトカイン」という物質が放出されます。

・3段階目……IgM・IgG

IgMとIgG

 サイトカインが放出されると、体の各組織は、外敵の危険性についての信号を受け取ります。そして、プラズマセルに免疫を賦活させる信号を発させます。プラズマセルは、まずIgMを、続いてIgGを放出します。

 IgMは5つのY字型抗体で構成されています。IgMは、Y型が一つしかないIgGと比べると、より効率的に病原体と結合することができます。

 IgGは、血液中に最も多く存在する免疫グロブリンのひとつです。

 免疫ブログリンの先端は、鍵穴のような構造をしていて、ウイルスの形に合わせて作られます。そのカギ穴に合う病原体の働きを弱めたり止めたりすることができます。

 抗体検査では、新型コロナウイルスに特異的に反応するIgM、IgGの有無を調べていますが、この抗体検査によって、免疫機構の3段階目まで新型コロナウイルスが到達したかどうかについて推測することができます。

・4段階目……マクロファージ

 上記の3段階を突破して体を攻撃する病原体が、いくつかあります。これらは、とても強力な病原体で、代表的なものとして、赤痢・チフス・レジオネラ・結核・HIV・リステリアなどが知られています。

 4段階目の免疫機構では、マクロファージが待ち構えています。

 マクロファージは、最終的に何をするかというと、NO(一酸化窒素)を吐き出します。マクロファージは、病原体に一酸化窒素を吹き付けることにより、病原体を駆逐します。

3.新型コロナウイルスの一般的な対策方法

 新型コロナウイルスは、病原体としては、それほど強くはありません。新型コロナウイルスは、赤痢やHIVなどと比べても弱く、ほとんどの場合、免疫の1段階目で駆逐されます。 

 しかし、慢性的な疾患などによって、罹患者の免疫が低下している場合、重症化することがあります。

 新型コロナウイルス感染症の重症化は、ウイルスが免疫機構の2段階目を突破した時に生じます。ウイルスが免疫機構の2段階目を突破すると、危険信号である「サイトカイン」が出続けることになります。サイトカインは止まることなくリンパ球を呼び続けることになるため、免疫が過剰に亢進しつづけた状態になります。この異常な状態のことを、「サイトカイン・ストーム」とよびます。

 「サイトカイン・ストーム」が起こると、劇症肺炎などの症状が出ることがあります。

 その結果、全身に血液に酸素が供給されない状態に陥り、全身に血栓ができて心臓にも負荷がかかり、患者が死亡する場合があります。

 新型コロナウイルスに罹患した人は、ほかの強い病原体のように免疫防御機構の4段階目に至らずとも、体内の機能上の問題が原因となって命を落とすことがあります。

 新型コロナウイルス対策においては、まず、一般的にいわれる風邪対策を実行することが重要になります。

「体調が悪い」と感じたら、夜は温かくして早く寝るなど、しっかり休養を取ることが大切です。

4.一酸化窒素の医療現場での使用

4-1.一酸化窒素の医療現場での使用

 免疫機構の4段階目で『マクロファージが一酸化窒素を吐き出して駆逐する』というお話を上でしました。一酸化窒素は、今回の新型コロナウイルス感染症対策として、臨床の場で活用されています。

 2020年3月、ハーバード医科大学のオーレン医師らが、イタリアと中国と共同で新型コロナウイルスの重症化患者の重症性肺炎を防ぐために、臨床で一酸化窒素ガスを使用し始めました。

 一酸化窒素ガスの使用については、FDA(アメリカ食品医薬品局)が承認を出しています。

4-2. 一酸化窒素の効果

 一酸化窒素には、血管拡張作用があるため、血流をよくする効果があるとされています。身近な例でいうと、これは、マッサージ効果にあたります。体に圧力がかかると、血管壁から一酸化窒素が放出され、血行が良くなります。東洋医学の観点からすると、血流が良くなると全ての病が改善するということですが。
 そのほか、一酸化窒素は、体内の健康の維持に役立っているということが分かっています。

4-3.一酸化窒素の歴史

 1998年、ルイス・J・イグナロPh.D(薬理学)らの研究により、体内の一酸化窒素の作用が、発見されました。この功績により、ルイス博士らは、ノーベル賞を受賞しています。

 ルイス博士らのノーベル賞をうけ、各製薬会社が一酸化窒素を製品化しようとしました。しかし、一酸化窒素は水にほとんど溶けないため、ガスのままで治療に使用されるようになりました。麻酔科医の担当の元、一酸化窒素は重症性肺炎の治療に使用されることになりました。

 2000年代、田丸 滋 Ph.D(麻酔科)が、日本でプラズマ放電技術を用い、これまで水にほとんど溶けないとされていた一酸化窒素を水により多く溶かすことに成功しました。この技術を用いて「プラズマウォーター」を生成し、一酸化窒素をより臨床に活用できるようになりました。

 そして現在、プラズマウォーターは、新型コロナウイルスの陽性患者に対して使用され、それぞれ臨床結果が上がってきています。

5.プラズマ療法と新型コロナウイルス感染症の症例と考察

5-1.プラズマ療法とは

「プラズマ療法」は、「プラズマパルサー」と「プラズマウォーター」の両方を利用する治療法のことをいいます。

「プラズマパルサー」という装置にかかることにより、電磁誘導を利用して、振動する電子(e-)(生命プラズマ)を体内に発生させます。これにともない、体内により多く一酸化窒素が発生します。

プラズマパルサーにかかった後も、プラズマパルサーによって一過性に体内に発生した振動する電子(e-)を維持するため、振動する電子(e-)と一酸化窒素を含んだ水「プラズマウォーター」を1週間に1L程度飲んでいただきます。

5-2.プラズマ療法は体の免疫を高め、人を健康に導きます 。

 プラズマ療法は、体の免疫を高めることを目的に作られました。免疫の観点からすると、プラズマ療法の効果は二つの段階に分けられます。まず始めに、プラズマ療法によって、基礎体温が上昇していきます。プラズマパルサーにかかると、体温が約36.6度になるように設計されていまするため、基礎体温が低い方であれば、体温は上昇してきます(※個人差があります)。

次に、白血球の全体数が上昇し、特に、好中球の数が増えてきて、血中のリンパ球との比率が変わっていきます(※個人差があります)。通常は、リンパ球と好中球の個数の比率は1:1ですが、プラズマ療法にかかると、この比率は、約1:2になります。

この比率は、免疫系が非常に活発になっている状態であるされています。

5-3 プラズマウォーターを使った新型コロナウイルス感染症における臨床

新型コロナウイルスPCR検査が陽性だった21名に、平均で1日1Lのプラズマウォーターを摂取していただきました。すると、被験者21人全員が、約4日でPCR検査マイナスになりました。その後の抗体検査では、新型コロナウイルスのIgM抗体もIgG抗体も発見されませんでした(その後、より多くの症例が集まり、現在、症例者数は250名を超えています)

なぜ、抗体検査で抗体が発見されなかったのでしょうか。実は、初期免疫(IgA)がウイルスを無害化・不活性化した場合、3段階目のIgM、IgGが産生されることが基本的にはありません。抗体検査では、IgAは一般に直接測定しません。

また、その他のウイルスにプラズマ療法を使った臨床データから、ウイルス自体が変化した可能性も推測されています。

日本プラズマ療法研究会の研究報告会で、高橋クリニック高橋知宏院長から、次のような報告がありました。

高橋院長は、悪性ウイルスの性病、尖圭コンジローマに対してプラズマ療法を実施しました。この病気は、薬も効果がほとんどない病気で、治療は困難であるといわれています。プラズマ療法を採用したところ、尖圭コンジローマの原因ウイルス(ヒトパピローマウイルス)が、良性に変化していったとのことです。
 そのほかのウイルスについても経過を観察したところ、プラズマ療法は、他のウイルスに対しても有効であることがわかったとのことでした。

6・新型コロナウイルス雑観

 2020年10月14日付の官報にて、新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定めるなどの法律が一部改正になっています。

 これによると、新型コロナウイルス感染症は、疑似症の患者について入院を要さないとのことでした。

 新型コロナウイルス関連情報は、大手マスコミによる報道と政府発表とのずれが多くみられます。医療関係者やサロンの関係者の皆様におかれましては、疑問に思われた報道情報は、必ず1次情報をたどることをおすすめします。